Orange wine glass draw

オレンジワインって何?

オレンジワインはフランスのバーやワイナリー、そしてレストランなどで需要が高く、店の入口には「ナチュラルワイン」と看板メニューとして客足を引き止めることができるものです。オレンジワインを未だ飲んだことがない人にとって、その色と味わいはきっと驚くでしょう、そしてワイン愛飲家は好奇心に掻き立たせられ、さらには1アペラシオン(Appellation)ワイン愛飲家たちをも戸惑わせるほどのワインです。近年、ナチュラルワイン派とクラシカルワイン派らの間ではオレンジワインの話題が大部分を占めるようになったほどです。しかしながら、オレンジワインは何よりも数千年前にさかのぼる文化遺産であり、人類の最初の酩酊に関連しているのです…

orange wine

オレンジワイン、シンプルな製造法で自然色に

シンプルな製造法

オレンジワインのフランス語は「ヴァン・オランジュ」(vin orange)、もしくは「ヴァン・ブロン・ドゥ・マセラシオン」(vin blanc de macération)ともいいます、前者は文字通り「オレンジ色のワイン」で、後者は「醸し(個体を液体に漬け込んだ)の白ワイン」という意味です。後者の呼名は実はオレンジワインの製造法を表しています、というのも発酵中のワインに果皮や種子を漬け込むことを「マセラシオン」と言うからです、つまり「醸し」のことです。白ワインは白ぶどうを圧搾したあとに、果皮や種子を除去して果汁だけを発酵させます、赤ワインは黒ぶどうを圧搾したあと、果皮や種子も果汁と共に発酵させます、しかしオレンジワインは白ワインのように白ぶどうを使用しますが赤ワインのように果皮や種子、時々果梗も果汁と一緒に発酵させて「マセラシオン」、つまり醸しをするのです。

自然な色

ぶどうの種や皮、果肉、果梗などにはポリフェノールという成分が含まれています。最もよく知られているポリフェノールはタンニンです。タンニンはワインに構造と個性を与える効果がありますが、それが多すぎると口の中で唾液との反応により、渋みがさらに強く感じることもあります。
ワインの色の元となるポリフェノールはフラボノイド(白ぶどうの果皮に含まれる成分)とアントシアニン(赤ぶどうの果皮に含まれる成分)がありますが、これは一般的にはあまり知られていません。赤ワインが赤く見えるのはアントシアニンとその色素のおかげです。したがって、オレンジワインに関しては、果皮と果汁も共に醸され、フラボノイドも含まれているので、赤でもなく白でもない独特な色となり、2004年にイギリスのワイン輸入業者によって初めて「オレンジワイン」という名前が付けられました。

オレンジワインのマセラシオン(醸し)の時間

赤ワインのように、オレンジワインの醸しの時間は、数日から数ヶ月までで様々です。それはワイン生産者が求めるワインのプロファイルによって変わります。ぶどうの種や果皮、果肉、果梗などは果汁との接触の時間が長ければ長いほど、より発色、より構造化し、そして力強く芳香のあるワインが出来上がります。自然の法則は時に悩ましく実に複雑ですね。多くのワイン生産者は、醸造期間を長く(通常は数ヶ月)させ、果皮や種子、茎などにタンニン再吸収させ、より上質なワインを製造しているのです。


オレンジワイン、文化と歴史の旅

ぶどう栽培の発祥地、ジョージア(グルジア)

ワイン醸造は8000年以上前にさかのぼり、コーカサス地方にあるジョージアで始まりました。 研究者たちは新石器時代初期の陶器から、ぶどうとワインの化学的特徴である酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸の痕跡を発見しました。したがって、ジョージア人は野生のぶどうの木を利用してワインを作り出した最初の人類なのです。

ジョージアの伝統的なワイン醸造法

ジョージアのワイン生産者の伝統製法は赤と白のワインをアンフォラ(もしくは、クヴェヴリ)と言われる素焼きの陶器で醸造し、一定の温度を保つためにマラニ(Marani)と言うジョージアの酒蔵で貯蔵し、ぶどうの果皮や、果肉、果梗、種などを果汁と共にマセラシオンを行います。これは筆記の文明が始まる以前から存在するため、正確な起源を辿るのは難しいようですが、オレンジワインの歴史はそこから始まると考えられています。したがって、人類が白ぶどうで醸造した最初のワインは、なんとオレンジワインである可能性があるのです。

オレンジワイン、世界に挑む

何世紀もわたって、ギリシャ、ルーマニア(古代からワインの醸造文化を持つ2つの国)、そしてスロベニアとイタリアは、ジョージアのワイン生産法によってインスピレーションを受けながら、長時間のマセラシオン技術を白ぶどうに適用します。そして90年代初頭、ナチュラルワインに関心が集まっていた時代に、二人のイタリア人ワイン生産者スタンコ・ラディコンとヨスコ・グラヴナーは、オレンジワインの普及に努めました。彼らはヨーロッパ(フランス、ドイツ、オーストリア、スペイン…)、それに新大陸(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド…)にまでも普及させました。


ナチュラルワインとオレンジワイン、それは愛の証

ナチュラルワインの研究の自由

多くのナチュラルワインの生産者は、固定概念的思考ではなく研究熱心で、アペラシオンに縛られることなく、たとえ一部のワイン、またはすべてのワインに1ヴァン・ドゥ・フランス(Vin de France)のラベルを貼られても構わないと、言われています。厳格なアペラシオン生産規定の元で作られたワインは品質に保証がありますが、一方でワイン生産者の製造方法を制限することにもなります。
アペラシオンの仕様を改訂するのはとても複雑で、ワインは(醸造技術ではなく)色によって分類され、それにはオレンジワインについて記載されておらず、オレンジワインを白ワインに分類されることも認められていません。地理的な弊害もあり、ワイン生産者はアペラシオン認定付きのオレンジワインを生産するは難しいのかもしれません。

アペラシオンという枠にとらわれずワインを製造できる生産者もいますが、ナチュラルワインの台頭とともに消費パターンも変化を遂げています、そのおかげで生産者たちはオレンジワインの正当性や市場での商機を疑うことなくオレンジワインを生産することができます。実際、現代の消費者は昔の消費者ほどアペラシオンに対して敏感に反応はしていません、それはアペラシオンは化学物質なしのワインを保証できないからです。彼らは新しい物を求めています、アペラシオンそのものより、ワイン生産者の哲学やワインの栽培方法、醸造方法に、より興味があるようです。言うなれば、ワイン生産者と体現化された彼らの作品を品評している感覚です、一般的には小さな規模のワイン農家のワインほどその感覚が強くなっています。したがって、ナチュラルワインの生産者がヴィン・ドゥ・フランスに分類されるオレンジワインを醸造することができるのは、消費者たちがアペラシオンよりも生産者の哲学、歴史、そして新たな経験の方に興味あることを知っているからです。

ワインを自然保護作用で強化してくれるタンニン

傷や有害なバクテリアもなく、自然に近い状態で栽培したぶどうからナチュラルワインを生産することは、従来の製法でワインを生産することよりも複雑です。一般的にナチュラルワインと見なされるワインは、亜硫酸塩を添加していない、もしくは僅かな亜硫酸塩しか添加していないワインです(合計30mg/l So2未満)。
亜硫酸塩はワインになる過程で副産物として自然に生成されますが、亜硫酸塩は基本的に抗酸化作用と防腐作用のためにワインに添加されます(従来のワインでは合計で最大 200mg/L So2)。つまり、亜硫酸塩はバクテリアの繁殖を防ぎ、空気中の酸素によって引き起こされる劣化に対しての耐性を高めます(ワインが酢に変わるのを防ぎます)。したがって、亜硫酸塩が少ないワインは品質が保てません。
特に赤ワインに含まれるタンニン(種、皮、果梗の醸しにより)は、亜硫酸塩と同じ防腐性と抗酸化性を持っています。つまり、亜硫酸塩もタンニンもなく、もしくは両方が僅かしか含まれていないナチュラルワインは雑菌の増殖や変質化しやすいのです。したがって、ナチュラルワインの生産者が、タンニンによる自然保護作用を強化させているため、白ぶどうの果皮や、果肉、果梗、種などを果汁と一緒に醸造すること(さまざまな理由も加えて)は驚きではありません。


vin orange

オレンジワインの香り

味わい

味覚上でもオレンジワインは人を驚かすことができます、初めての人にとってこれはとてもいい発見になるでしょう。オレンジワインは白ワインのフレッシュさと(必ずしも酸味ではない)フィネス、そして赤ワイン(に含まれるタンニンによる)の味の厚み、しっかりとした風味、構造があります。もちろん、ぶどうの品種や、土壌、醸し時間などによって異なりますが、それぞれのオレンジワインは個性があり、シロップ漬けフルーツ、ナッツ、スパイスなどのアロマティックな香りと深い味わいが楽しめます。
ジョージアのオレンジワインは、何よりも一口飲めばそのコーカサスの歴史さえ感じることができるワインであり、独特の香りが溢れ、その土地の宝であることを物語ります。

オレンジワインのフードペアリング

重みのない爽やかな味わいで、オレンジワインは友人と共に頂くぴったりの食前酒です。その深みのある芳醇な味は、脂の乗った魚や淡白な肉、あるいは甘すぎないデザートにさえ完璧に合います。


1.アペラシオン(Appellation): A.O.C. (Appellation d’Origine Contrôléeアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ )というフランスの法律で国内の農業製品の品質を保証する制度のことです。A.O.C 認証のワインには品質保証、ぶどうの品種、産地、醸造方法などを法律によって制限しています。

2.ヴァン・ドゥ・フランス(Vin de France)
フランスにおけるワインの品質保証のカテゴリーの一つで、アペラシオンの厳しい条件とは異なり、産地や、ぶどう品種、製造方法に制限されないカテゴリーのワインです。